作品集『立つ人』刊行記念展
有持有百 立つ人 展

2020年9月1日(火)~19日(土)

最近「立つ」というイメージに興味があるんです。立っている人には物語が溢れています。誰かを待っていたり、壁のしみを眺めていたり、2013年のトルコや2014年のウクライナで抗議する人の姿にも惹かれました。「立つ」とは世界を見つめることでもあるように思います。(中略)プラトンの『饗宴』に球体の人間が出てきます。あのイメージと「立つ人」が自分の中で混じることがあります。現代では人は立って歩きます。それでさらに思い出したわけです、タル・ベーラが自身の映画を解説する際に「我々は歩かなければならない」と言っていたことを。(中略)いま世界ではオンラインという人間の生き方の転換期が垣間みえています。はたして僕たちは立ち続けるのか、歩くことをやめるのか、こうした問いはそのまま物語に成り得ます。(作品集『立つ人』から抜粋)

有持有百(Arimo Arimochi)
1977年山口県生まれ。日本を拠点に活動するドローイング作家。東京藝術大学大学院博士後期課程を修了し博士号取得。これまでに別名でバンガロールやタリンといったIT先進都市で作家活動をし、主にアニメーション作品を発表してきた。その作品は30カ国以上の美術館や国際映画祭で発表された。第11回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞。2012年からエストニア芸術アカデミー客員研究員を2年間務め、比較美術史家としてアニメーションや風刺画の研究を始め、雑誌『TRANSIT』にも寄稿。こうした経験を機に絵の持つ強さを再認識し、2019年からドローイング作品を描くようになった。装画コンぺvol.19準・名久井直子賞、HB WORK vol.1岡本歌織特別賞受賞。

○刊行記念イベント
対談:有持有百×長谷川晶子(京都産業大学准教授・シュルレアリスム研究)
日時:9月9日(水)19時~20時半
会場での観覧定員:5名 参加費1000円(500円分お買物券付)
※要予約
※同時にライブストリーミング配信(無料)を行います。
アーカイブの公開はありません。

exhibition view

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