2009年の展示

2009年11月3日(火・祝)~28日(土)
「野兎の眼」松本典子写真展

実家の移住先、奥吉野のとある村の秋祭りで、
14才の少女のまなざしと出会った。

思わず、「これから10年写真を撮らせて」と話しかけていた。
普段はそんなことしないのに。

その後瀬戸内海の島で野生化したカイウサギたちと出会い、撮り続けた。

写真のこと、
不器用で誰にも習いきれなかったので、兎に距離のとり方を教わっていた。

兎は気配を消してそっと側にいることを許してくれた。

帰省する度でも無かったけれど、幾度も待ち合わせて彼女を撮っていた。

河に石を置いてぴょんぴょんと渡って行くように、
大きな流れの中、撮る瞬間だけふたりは淡々と繋がっていた。

10年が過ぎて、いつの間にか彼女は里に住み、ひとりの娘の母親になっていた。
距離の手触りが柔らかくなった。新しい時間が始まった。

この6月に、また写真を撮った。

生まれたての彼女の娘のまなざしの中に、ひどく懐かしいまぶしいものを見た。
意味や理由でくくられない、生きてることそのままの。

山を降りる車のハンドルを繰りながら彼女がぽろっと言った。
「村にも野兎がいる」と。

その瞬間、時間がらせん状にひとまわりした。

ことばとことばは離れているのに、
説明を飛び越えて「はっ」と、気が遠くなった。

彼女と娘と野兎と。
ひととひと、ひとといきものをつらぬく、変わって行くようで変わらないもの。

私はきっと、10年かけて同じ光の点を追い続けていた。

まぶしくてちいさな。

松本典子さんホームページ http://www.microcosmos.jp/

2009年9月21日(月・祝)~10月3日(土)
早川乃梨子「ヒトコマ展」

こんなコトがあったら、面白いかも。
そんなシーンを1コマで表現しました。
ほのぼのしたものから、風刺をしたものまで様々です。

日頃のちょっとした息抜きに、
是非、たくさんのヒトコマ達に会いに来てください。

早川乃梨子
1984年生まれ 京都府出身 京都在住
京都精華大学芸術学部マンガ学科卒業

2004年4月 グループ展「コジュリン展」 京都 nasic square
2004年4月 企画展「111人の名刺選手権」 大阪 savori
2004年6月 企画展ぼくらの町~絵地図展~」 大阪 雑貨と喫茶とギャラリーとひなた
2004年9月 やなせななCDジャケットイラスト 特別賞
2004年10月 企画展「えにっき展」 大阪 雑貨と喫茶とギャラリーとひなた
2005年2月 グループ展「AKA展」 京都 ギャラリー蔵
2006年3月 個展「ヨリミチ切符」 京都 gallery shop collage
2006年10月 企画展「エコBAG展」 大阪 雑貨と喫茶とギャラリーとひなた

2006年 第151回 The Choice 緒方修一さん審査 入選
2007年 第152回 The Choice 寺田順三さん審査 準入選

2009年4月 企画展「同時代展」 京都 同時代ギャラリー

9月1日(火)~19日(土)
NEO TAO <home> morie

2008年にCaloで個展開催、祝・朝日現代クラフト展入選!掛舞さんと、織田桃子さんの2人による、モノを作るのが好き!という気持ちがいっぱい詰まった手づくり本と、みんなを元気にしてくれる雑貨いろいろを、心を込めたディスプレイのなかにちりばめて販売します。
まるでお部屋に招待されたかのような、どっさりのモノに囲まれた二人の世界に埋もれる楽しく幸せな時間をお過ごしください。

掛舞さんブログ http://maikake.exblog.jp/
掛舞さんホームページ http://maikake.sakura.ne.jp/
織田桃子さんブログ http://web.me.com/tao88/

8月18日(火)~29日(土)
フジマキユウコ個展「おとうさんといっしょ。」

写真家の娘が記録した、父の最期の日々。幸せな展覧会にする、というのが作者の決意です。みなさんどうぞ、カラッと明るく見にきてください。
***
お母さんは34年、おねえは33年、おねえちゃんは29年、私は24年。
ダントツ。私が一番いっしょにおれた時間が短かった。

生まれてきた順番を恨むかな。
急いだお父さんを責めるかな。
どっちも後の祭りやな。

お父さんの生きた証というよりも、私がどれだけお父さんを好きやったかを、
ただ誰かに知って欲しいと思った。

この展示にメッセージ性はなし。

ホントに届けたいメッセージは、お父さんが世界一好きということを、
お父さんに伝えたかったんやけどな。

死んでしまったお父さんにはもう伝えれんけど、
この大きな後悔をひとつの大きなカタチにしたい。
ただそれだけの催し物や。

フジマキユウコ

2009年7月11日(土)~8月8日(土)
澤辺由記子 活版レシピ「わたしの馬棚」

澤辺由記子さんは、長く愛され続けている欧文書体とその作者を紹介するカードや、文字の形に色をつけていくことにより書体の特徴を伝える文字のぬりえ、活版印刷のことを歌にするプロジェクトなど、活版印刷にまつわる美しいプロダクトやユニークな活動で注目を集めはじめているアーティストです。

彼女自身のレーベルtemp pressの製品は、私たちと活版印刷の距離を近づけ、歴史の流れに沈んでゆこうとしている鉛の文字の世界を、軽やかに、鮮やかにみせてくれます。

彼女にとって関西初となるこの展覧会は、temp pressの新しいシリーズ“活版レシピ”の第一集「わたしの馬棚」の発売にあわせた展示会です。

“活版レシピ”とは、失われつつある活版印刷の技術を職人から収集するアーカイブプロジェクトです。職人たちに共有されていた技が、母から娘へ受け継がれる料理のレシピのように、私たちの記憶にのって未来へと届けられます。

今回、彼女は、日本語を印刷するために避けて通ることのできない膨大な数の漢字を扱うために考え出された、馬棚(活字ケースの並ぶ棚)に詰め込まれたルールや工夫に注目し、持ち運ぶことのできる「わたしの馬棚」をつくります。会場では製品の発売にあわせて、実際の印刷所の馬棚をモデルにした漢字の世界を、インスタレーションとして展示します。ぜひ活版印刷の世界と技を身体で感じてみてください。製品と展示、ふたつの「わたしの馬棚」があなたと活版印刷の関係を深めてくれることでしょう。

●temp press ブログ http://temppress.blogspot.com

●アーティストトーク
阿辻哲次(京都大学大学院人間・環境学研究科教授・中国語学専攻)×澤辺由記子
日時/2009年7月11日(土)18:00~
料金/1500円(1ドリンク付)
定員/30名(要予約) お電話かメールでCaloまでお申込みください。

ご実家が活版印刷所で幼い頃から活字に慣れ親しんでいた漢字博士・阿辻哲次先生と、ひょんなことで21世紀に入ってから馬棚で活字を拾うことになってしまった澤辺由記子さんの二人が、馬棚の秘密についてひも解きながら、漢字というやっかいで複雑な文字の魅力について語ります。

●会期中、今回ご協力いただいた内外文字印刷(株)保有のすべての活字で印刷された活字見本帳「金属活字・活版印刷ものがたり」(6300円)のtemp pressによる限定版を販売します。ぜひ展示とあわせて ご覧ください。

●恵文社一乗寺店アンフェール雑貨スペースでも7/1~15まで、temp pressのフェアが開催されます。

2009年6月9日(火)~27日(土)
まちゅまゆ「ヒトを食べたきりん」絵本原画展

Caloでゴシック風の画による手づくり絵本「ジュリアと悪そな羊」がロングセラーのまちゅまゆさんが、昨年12月に新しい絵本「ヒトを食べたきりん」を出版しました。一層深みが増した絵とお話に、Caloにまちゅまゆさんをご紹介くださった、mama!milkの生駒祐子さんも参加されたCDもついています。「ヒトを食べたきりん」の出版にあわせて絵本の原画展を開催します。

●まちゅまゆ
1997年より画家として福岡を拠点に本格的に活動を始め、油彩を中心に銅版画など制作。
「明るい暗闇」をテーマに、心の奥に住む子供たちを油彩で描いてきた。
動物など住人達は増え続けている。これまで年1回の個展を福岡市天神にて開催。
その他グループ展の参加、湯布院のショップでの常設、グッズ制作なども手掛けている。
まちゅまゆさんホームページ http://machumayu.com/

●この絵本について作者より
どこの国でも、いつの時代でも、「ヒト」が存在する限り起こりうる出来事。
「どうしてこんなことになってしまったのか」
孤独を抱えるすべての「ヒト」へ問いかけます。

2009年6月2日(火)~6日(土)
的場カヨ銅版画展 「豚の心根 Pig Soul」

銅版画には、プレス機を通して作品に出会うまで
いくつもの作業工程があります。
手間暇のかかる時間の中で、今回のメインキャスト
の豚たちが私を応援してくれました。
そんな心根のある豚友(とんとも)作品を20点

豚の鍵屋から連想した
鍵と錠をモチーフにした鍵逢わせ豆本&小作品20点

さらにさらにメインキャストを活かし
表裏刷り上りの形にこだわった
金、銀、青、緑、赤等の艶やか一版多色刷り10点

合計50点の出展を予定しております。
豚友達と皆様のおこしをお待ちしています。

[画歴]
1985  嵯峨美術短期大学インテリアデザイン科卒業
1986  銅版画と出会う
1992  銅版画と再会する
2002  小さなプレス機と出会い、自宅内に小さな納戸アトリエを作り、大きな箪笥の影で、日々、銅版画を製作
2008  山登り階段付きアトリエを 増設 換気扇 と 水道 に感謝 !! 

[個展]
2000  個展「心悸心天」          ギャラリー小さな芽(西宮)
2005  個展「水無月きつね図会」     ギャラリー小さな芽(西宮)
2006  個展「福耳月光図会」       The 14th. MOON(大阪)
2009  個展「豚の鼻唄 Pig Humming」  カーサ・ラ・パボーニ(大阪)

[グループ展] 
1993  プリントワークショップ芝高(大阪)
|   エスパス446(大阪)
2007  ギャラリーセロ(大阪) 等

2003  漆と銅版画二人展         パステルの館(宝塚)
2007  ブック・アンデパンダン展     芦屋市立美術館(芦屋)
2008  私のフランス・パリ展       カーサ・ラ・パボーニ(大阪)

的場カヨさんのブログ http://hankobo-rabita.cocolog-nifty.com/blog/

2009年5月19日(火)~30日(土)
岡田篤彦小品展

アトリエに散らばる素材たち「scraps」は気長に出番を待っている。
運がよければ、発掘され、起用され、光り輝くことがある。

さまざまな素材を使いつつシックな表情のブリコラージュ。
お部屋に飾りやすい小さめサイズのものを展示・販売します。

2009年5月12日(火)~16日(土)
FUJICCO ぬいぐるみ展「Hug me please!」

子どもの頃、大切にしていたぬいぐるみ。
そばに置いておきたい、時々はじっと見てみたい
たまには頭を撫でてあげよう…。
大人になった今でもそう思えるような
「自分だけの密かなお楽しみ」そんな存在になれたらと願いつつ
ちくちくぬいぬい生まれた子たちです。

気になる子がいたら、どうぞ”Hug me please!”
ぎゅっとしてあげて下さい。

ぬいぐるみたちとの良い出会いがありますように。

H.P. http://hccweb1.bai.ne.jp/~hdf66901/fujicco_home/
Blog http://fujinote.exblog.jp/

2009年4月14日(火)~5月9日(土)
尾柳佳枝「しゅるっとうかぶ」展

無機と有機の間をうつろい、重力と無重力を行き来するような、動物とも植物と もつかない緑のかたまりを主人公に、色と形と光が取り巻く世界が、平面、映像、立体と展開される尾柳佳枝さんの世界。

手製本のジャバラの中にやわらかい色と形が広がる小さな本「休憩」がCaloでも 定番商品になっている尾柳さんは、2008年4月からの1年間、幻冬舎のPR誌「星星 峡」の表紙画と挿絵を担当、いろいろな書き手のいろいろな文章の間に彼女の世 界を滑り込ませてきました。この本のお仕事が一区切りつくこの春にあわせて、 Caloでの展覧会をお願いしました。

この春の緑色は、ふんわりとそこにあるのか、元気よく動くのか…。 今回は、額縁の中に閉じ込めたいろいろな緑をぎっしりぎっちり、「星星峡」の ために描いた絵と新作映像も交えて展示します。 窓から外をのぞくように、Caloの空間にもぽっかりと異次元への入り口をあけて みせてくれることでしょう。

●尾柳佳枝
絵と映像を制作。クレヨンや水性ペンで描いた平面作品と、線や点、面などのディテールそれぞれに動きをつけた映像作品も制作しています。

2002年  GUILD GALLERY(大阪・扇町)にて個展
2003年、2005年  GALLERY MAISON D’ART(大阪・本町)にて個展
2007年  PANTALOON(大阪・中津)にて個展
2008年  画廊 編(大阪・千日前)、ギャラリー la galerie(大阪・茨木市)、engawa(神奈川・葉山)にて個展
2008年4月より、幻冬舎PR誌「星星峡」の表紙絵と本文イラストレーションを担当。

2009年3月10日(火)~21日(土)
常本若菜展

おもしろくていとしいものは日常の中に存在するとおもう。
それらにあまり手を加えずにそのものの魅力を活かしたい。
今回は紙製のパッケージ(例えばお菓子の空箱など)を
つかった版画作品を主に展示しようと思う。
ふだん何気なく目にする空箱を広げ、インクをつけて刷り上げると
それまで気づかなかったフォルムの美しさやおもしろさ、
質感の不思議さなどを再発見できる。
日々の中のあたりまえのようで贅沢なこと、
そんな日常の延長にある作品を作りたいとおもっている。

コラグラフ(紙版画)で制作した1点ものの版画とその版に使った、お菓子のパッケージなどの紙箱をあわせて展示します。日常の世界から生み出される、静かで美しい作品をご覧ください。

2009年2月17日(火)~3月7日(土)
南陀楼綾繁セレクト
「フリーペーパー=小さなメディアの放つ光」展

内容もカタチもさまざまなフリーペーパーが大集合。南陀楼綾繁が全国から厳選した約60誌のフリーペーパーを展示します。制作者のこだわりや想いが感じられるものばかりです。最新号は持ち帰りできます(数に限りがあります)。2008年11月に福岡の本のイベント「BOOKUOKA」の一環で開催された展示の巡回展 になります。

●トークイベント「フリーペーパーと出会うには~書店の店頭から~」
山下賢二(ガケ書房店長)×南陀楼綾繁(ライター)
日時:2月21日(土)16:30~18:00
会費:1000円(1ドリンク付)
定員:30人

置き場所や発行部数が限定されているフリーペーパーを、どのように見つけ、手 に入れるか? 京都だけでなくたくさんのフリペの配布場所として知られている 〈ガケ書房〉の名物店長に、お気に入りのフリペや発行している人たちとの交流 をお聞きします。フリペ発行者のプレゼンテーションタイムもあり。

【出品物】
MAGNET(札幌) / Cultivater(札幌) / WG(札幌) / WB(東京) / 乙女湯のたしなみ(東京) / 路字(東京) / ため息ミサイル(東京) / buku(東京) / 東京トーフ屋散歩手帳(東京) / ohitotsu(東京) / CINRA MAGAZINE(東京)/ kate paper(東京) / coaster(東京) / kidou(東京) / エホン便り(東京) / 1010(東京) / フツパ(東京) / 週刊三階(東京) / KONNICHIWA新聞(東京) / Apple Clover(東京) / SCHOP(名古屋) / シネマぜんざい(名古屋) / 縞(名古屋) / 少年少女乱歩手帳(名張) / HOWE(奈良)/ 京都ワッチャーかわら版(京都) / SCRAP(京都) / カスタマイズ絵本(京都) / ぱんとたまねぎ(京都) / ORDINARY FEUNERAL(京都) / temiru(京都) / ロック自身(京都) / のぼりうち(京都) / 海鳴り(大阪) / 湯気新聞(大阪) / 堀江彷這(大阪) / シャープナー(大阪) / レトロン(大阪) / RIPPLE(大阪) / 大阪のアートを知り尽くすMAP(大阪) / plug(大阪) / 実験アキレス(大阪)/ よくがある(大阪)/ トオリヌケ・キ(神戸) / 甘苦一滴(神戸) / 食パン毛布(神戸) /  海会(神戸) / 松風新聞(神戸) / krash japan(倉敷) / LOUTO(広島) / 創世ホール通信(徳島) / 083(下関) / 雲のうえ(北九州) / はかた版元新聞(福岡) / ふるほにすと(福岡) / 再生誌(福岡) / シアタービュー(福岡) / とことこかわら版(福岡) / 拝啓 寺山修司(福岡) / GP(福岡) / judd.(鹿児島) / 沖縄県産本ニュース(沖縄)

2009年2月3日(火)~14日(土)
西村イラスト展「ア・マジカルガール」

幼い頃からのアイドルは

ミンキーモモ、ひみつのアッコちゃん、クリィミーマミ

ピンクやうすいムラサキの髪の色
かわいらしい小動物を飼っていて
パーカーやフワっと広がるスカートを好んで着用する
元気でドジ
笑顔がかわいいヒロイン

魔法の力はそう簡単には手に入らないけれど

ア・マジカルガール

誰かのどこかの 特別な、たった1人になりたい

★★★★★
イラストの展示です。
どうかあなたの後ろ髪をひっぱることができますように。

2009年1月20日(火)~30日(金) 
雑誌バックナンバーフェア

エルマガジンのバックナンバーを引き続き取り扱っております。

2008年12月25日(木)~2009年1月17日(土)
エルマガジン「そうだ聖地へ行こう」展

12/25発売の2月号で残念ながら休刊してしまう京阪神エルマガジンで連載中の「そうだ聖地へ行こう」から、西岡潔さん渾身の撮影による聖地写真を展示します。
連載の写真担当、西岡潔さんのホームページ:KIYOSHI NISHIOKA PHOTOGRAPHY
連載のテキスト担当、藤田祐一さんのブログ:空間快楽主義